キア上級ダンジョン。

　ある日の、キア中級ダンジョンの報酬で出た、『キア上級魔族通行証』。
　先日のラビ上級ダンジョンといい……その雪辱戦をするべきだと、言われている……。

　これは行くしかない！

　
　キア上級ダンジョンの敵は、ほとんどが複数対で襲ってくるという、つわものばかりが出てきます。索敵範囲も広く、箱が置いてある部屋では、開けた瞬間に敵の少ないところを見極めて、まずはそこへ逃げるという迅速な行動が必要となってきます。少しでも判断を間違えると、複数体の敵に囲まれて大変なことになるでしょう。
　そこで、ペットにターゲットを取らせる、という技が有効になってきます。
　好きなやり方じゃないんですが、これをしないとどうしようにもならない状況が多々あります。

　黒い溝のところで座らせておくのが最適ですが、ここに座らせていても十分、敵に認識・警戒される位置ではあります。

　『ダークラットマン』が壁の向こうの僕のペット、梅野に気をとられて、こちらを認識しなくなりました。これで一応成功ですが、ターゲットが移る可能性があるので、あまり近くに行かないこと。
　もちろん、ここに座らせている間も、ペットの呼び出し可能時間は刻一刻と減ってゆきます。ペットの呼び出し時間が切れるまでに、戦闘を速やかに終わらせましょう。
　上級ダンジョンは、なにも過酷なことだけではありません。
　行き止まりの通路の先には、なんと宝箱が毎回設置されています。
　ソロなので、独り占めです(*’ー’*)

　金貨や、『ライフポーション50』といったものが入っています。
　ダンジョンを突破する頃には4万以上稼いでいました。

　キア上級ダンジョンは4階層で形成されています。
　上級ダンジョンのそれぞれには、中ほどまで進むと、より強力なモンスターが沸く部屋が出てきます。分かりやすい言葉で言えば「中ボス」ですね。
　ここでは『バグベア』というオーガ族に部類される、巨大モンスターが4体出現します。以前、ギルドメンバーのみなさんと、ここへ訪れたときに、僕は彼の攻撃を受けて『死を経験した』タイトルをゲットしました（笑）。
　正直、勝てるとは思っていません。
　『バグベア』を見た瞬間、ここのダンジョンから脱出しようと怯えていました。
　それほどに恐怖を植えつけられていた相手だからです。
　そして2階の終盤……

　ｷﾀ━━(ﾟ∀ﾟ )━━!!

　ﾇｳｧ━━(；’д’)━━!!!（パン風）
　……死んだ場所が良かったせいか、そのままペットに集中してくださったので、ナオサポートで復活して、そそくさと反対側の部屋の隅に逃げました。
　彼に対する基本戦術は、『ファイアブレス』を使って『カウンター』待機。いわゆる防御系の戦術です。キア上級ダンジョンの敵は、なにかしらこの戦術を使います。『バグベア』や、最後の『ゴーレム』は『ファイアボルト』、それ以外は『アイスボルト』が通じるそうで。
　ダメでもいいので、やれるだけやってみました。
　相手の生命力の高さに驚きつつ闘う。
　何十分も闘った挙句、とうとう制覇！
　長かった……。

　のびてるよ（大笑）。
　部屋の向こうにおいていたのがサラブレットの『菊野』だったので、このダンジョンが終わったら遠くにいけないな、なんて思いつつ、残りの階層へ。
　まだまだ僕の闘いは終わらない！

　階層は3階。
　位置ズレで死亡したり、処理が止まって死亡したりを繰り返しながらも、いけるところまで進んでゆく。そのほかのことでコレといって詰まることもなく、赤いラゴデッサの『ウィンドミル』への対処法も編み出し、突破。

　4階層目。
　最後の試練は……。

　『ジャイアントライトニングスプライト』2体、そして小さい『ゴーレム』も2体。
　おっきいのは中級魔法『サンダー』をチェーンキャスティング（1度に5回分の詠唱）をしてくるので、かなりのつわものですが、語るのも嫌な相手なのでスルー。
　小さいからといって、この『ゴーレム』、馬鹿になりません。片方はテレポートしてプレイヤーの背後に回りこみ、攻撃を仕掛けてくるという、なんとも厄介な相手。小さいながらも、『ストンプ』をしっかり使用してきます。何より行動速度が早くて、早くて……。
　バグベア戦で使用した戦術と、ペットの協力、そして決死の『ファイナルヒット』の末、撃破……。
　長い闘いだった……。
　途中、他のものに浮気したり、お風呂に入ったりしたので、7時間近く攻略に時間がかかりました。唯一得意分野になった『ウィンドミル』も活躍せず、あまり成長していないスキルばかりを使用していた分も、時間を食った要因です。

　攻略後、ギルドメンバーの方からこういわれました。
「無制限クリアしたんだから、2人制限は余裕じゃない？」　

　これは挑戦するしかない。