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あかなまずによるゲームブログ。pixivにアップしたイラストの紹介も行っています。
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あかなまず
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男性
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 管理者は下記のオンラインゲームに参加しています。
 『テイルズウィーバー』ドゥルネンサ サーバー、鯰守(マキシミン)、柚明(ティチエル)
 『マビノギ』モリアンサーバー、ユリディノト(人間♀)、ランジエ(エルフ♂)、鯰守(人間♂)
 『ファンタシースターユニバース』エントラス1、フィクション(キャスト♀)、ヴァニティ(キャスト♂)、トワイライト(ニューマン♀)、エコー(ビースト♂)
 『メタルギアオンライン』、AkaNamazu(♂)
 また、下記のリンク集の下部にあるpixivとmixiのリンクは、管理者の運営しているものです。pixivではイラストの投稿、mixiでは日記をつけています。
29 2024 / 03
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 午前授業だった。

 放課後、トイレから出てすぐのところに森秋とレシルが立っていた。僕は2人に向かって挨拶をした。

「おつかれ」

 レシルは言葉を返してくれたが、森秋は眼中にも入れたくないといわんばかりにそっぽを向いた。言葉は、当然期待できない。無視された。合わす目がないのだろうか、それとも僕のことが嫌いになったのだろうか。

 あの日、帰りいつものように麺屋でかけそばをすすりながら、僕は森秋に対して不安をもらした。テイルズウィーバーにINしてほしい、と。気分的にINできないみたいだから、クラブマスターをとってぃーさんにバトンタッチしてもらったことも。人として、失礼と思えるようなことも言った。それがいけなかったのだろうか。それともクラブマスターという席を外されてしまって、それに怒りを感じて僕を遮断するのだろうか。

 

 彼はその理由を話そうとはしない。

 

 日本人とは、そんな習慣を持っているのだろう。嫌いになれば、その人と関与しなければ良い。嫌いになった理由を相手にぶつけるのは、外国人に多く見られる傾向なんだろう。日本人はあまりにメンタル面では弱い。なのに相手を平気で無視することができるのは、なにか矛盾している気がしなくもない。

 僕は外国人に近いのかもしれない。

 彼とは、嫌いな部分があったら「もうお前とは」となってしまうほど、ゆるい絆だったのだろうか。だったらお互いを信頼して相棒だの親友だのと言っていたのはどうなる。

 昔のこと、と割り切れと?

 わからない。お互いの嫌いな部分すらぶつけ合って喧嘩になって(今回は喧嘩にも発展しなかった)最後は和解するのが親友か。それともお互いのことを完璧に知り、完璧にお互いのことを好きになることが親友か。

 答えはわからなかった。

 彼はどう考えるのだろう。

 聞こうとしたが、となりでうどんをすする森秋の姿はなかった。

 ひとりで食べるかけそばの味は、あの頃と変わりなかった。



 僕は快速に乗ろうとした。あの頃を思い出して、同じ車両番号の、同じボックス席に座ろうとしたら、そこには高校の友達の姿があった。彼とボックス席に座った。

 その友達とはしばらく関係を絶っていた。最近少しずつまた距離が縮まってきていることが、となりの席に座って感じられた。しばらく関係を絶っていた理由は、向こうはどう考えてそうなったのかはわからないが、僕のほうには理由がひとつあった。

「俺、人生悟った」

 理解できなかった。笑いさえした。

 だが、いつからかこう感じるようになってきた。おもちゃの剣を手にして「俺は勇者だぞ!」と叫ぶ少年、と。

 そう考えると、愛嬌があるように思えた。馬鹿にしているわけではない。そのおもちゃの剣が、いつか真剣になることを少なからず願うばかりだ。

 彼はすぐに電車を下車したが、一緒によく帰っていたころと同じように、僕と接してくれた。それが嬉しかった。



 ボックス席は、僕以外に座っていない。

 あの時、僕は、その少女をとなりに誘った。森秋はそれを見て嫉妬を帯びたような声を小さく上げた。森秋は僕の前に、少女はとなりに座った。いや、座ってもらった。反対側のボックス席には、サングラスをかけた少女の母と、メヴェリーさんが座っていた。

 となりに座った少女は旅に疲れた身体を、僕にすり寄せて眠っていた。頭を僕の肩に引っ掛けていたか。そのときの風景を収めた写真を見て、母親は「本当に幸せそう」とか「いつもより可愛く見える」なんて言っていたのを思い出した。

 その母親の言葉が頭に響いたとき、口元が歪んだ。その歪みを適当に口を動かして誤魔化した。誤魔化したと同時に、視界がぼやけてきた。帽子を深く被り直して、それを隠した。

 彼女は今、幸せだろうか。

 ……彼女は僕に憧れていたのかもしれない。しばらく他のオンラインゲームに移っていたようで、交流がなかった。しばらくしてまたテイルズウィーバーに帰ってたときには、もう……。

 携帯を開いた。そこには笑顔の少女が映っていた。1分近く眺めていただろうか、携帯を閉じて、窓の外を見やった。

 外は恐ろしいほど晴れていた。自分の今の心とは正反対だと思える。窓から日差しが差し込んでいたが、僕は構わず遮光カーテンを半分近く開けていた。

 ここから見える景色を、森秋と眺めていた……。

 不意に、手に握り締めていた携帯が振動して、僕は現実に帰った。

 雪乃さんからのメールだった。頻繁にメールを送信してくるのが、僕にとっては雪乃さんだけだった。タイミングがよければ、こうして現実に帰る道を作ってくれる。



 返信は……もう少ししたら返そう……。

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